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うつ病について


2024年4月5日【更新】お薬 トラゾドン 鉄不足

気分が憂うつで、何かをしようとしても、やる気になれない。朝起きても、職場に行く気になれない。仕事をしても集中できない。疲れやすい。趣味や楽しみであったことさえ、億劫でできない。食欲がわかない。夜眠れない、などが続いた場合、うつ病の可能性があります。


【うつ病の症状について】
抑うつ気分

一日中、気分がふさぎ込んだり、落ち込んでしまいます。気分はゆううつで、何も希望が持てなくなります。このような症状は午前中にひどく、午後から夕方にかけて改善する方が多いです。


興味や喜びの消失

いろいろなことがつまらなくなり、仕事だけではなく、例えば、休日に楽しんでやってきた趣味なども、興味がなくなったり、楽しめなくなってしまいます。



食欲不振または増加

食欲が落ちて、体重が減ってしまう方が多いです。一方、いつもより食欲が増えて、体重が増える方もいます。


睡眠障害(不眠または睡眠過多

なかなか寝つくことができない(入眠困難)、夜中に何度も目が覚めてしまう(中途覚醒)、朝早くから目覚めてしまったりする(早朝覚醒)、ぐっすり寝た感じがしない(熟眠障害)といった症状がおこります。

どのような不眠の形でも、眠れないと、もんもんと寝つけないまま布団の中にいることになります。そして、なかなか答えの出ない悩みや心配事が、頭の中で堂々巡りしてしまうことが多くなります。

一方、眠気が強くなり、日中も含めて眠りすぎるという方もいます。


精神運動の制止、または焦燥

話し方や動作が普段より遅くなるなります。頭の回転がにぶくなって、言葉がなかなか出てこなくなることもあります。周りとの会話でも、ボーっとして、直ぐに答えられなくなることもあります。

酷くなると、何時間も誰とも話さすわけでもなく、ただただ一点を見つめるばかりで座り続けてしまったり、昏迷状態に陥ることもあります。

一方で、不安感焦燥感が強くなり、じっとしていられなくなり、うろうろと歩きまわってしまう方もいます。焦燥感が強く、死にたい気持ちが強い方は、衝動的にそのような行動に移したくなるため、なるべく早く受診されることをお勧めします。


易疲労性、気力の低下

何をするにもだるくなります。億劫で仕方がなくなります。いつもよりも疲れやすく、気力も低下します。普段、時間をかけずにできていたことにも時間がかかってしまいます。そうなると、気ばかりが焦ってしまいますが、実際にはやることがはかどりません。


思考力低下・集中力低下

物事に集中できなくなります。考えが遅くなったり、まとまらなくなります。決断力も低下します。本や新聞、テレビ、インターネットなどを見ても、内容がなかなか頭に入ってきません。



強い罪責感

そのような事実はないにも関わらず、自分は価値のない人間だと感じてしまいます。自分は悪いことをした、みんなに迷惑を掛けて申し訳ないと、自分のことを責めてしまいます。物事がうまく行かないのは、自分のせいだと考えてしまいます。

時に、悲観さや罪責感が、妄想にまで発展することがあります。内容は全てに悲観的で、自分の能力、健康、地位、境遇などを過小評価する微少妄想という妄想が出現します。以下は、微少妄想の例になります。

罪業妄想:そのような事実はないのに、自分は大変な罪を犯してしまったと思う。

貧困妄想:そのような事実はないのにもかかわらず、破産してしまった、お金が全くなくなった、家族が路頭に迷ってしまうと思う。

心気妄想:そのような事実はないのに、自分は癌などの重大な病気に冒されたてしまった、もう助からないと思ってしまう。


自殺念慮・希死念慮

罪責感が強くなったり、悲観的になると、自分さえいなければ・・・、死んだほうがましだ・・・と考えてしまいます。将来についても悲観し、もう駄目だ、終わりだ・・・などと考えてしまいます。死や自殺について何度も考えてしまい、計画を立てたり、企ててしまいます。

一般的に、自殺行動はうつ症状が一番酷い時にはむしろ少なく、病気の初め回復期に多いと言われています。これは、うつ症状が酷い時には自殺行動するエネルギーさえないからです。


【うつ病の原因】

未だ解明されてはいませんが、現在、提唱されている仮説としては、うつ病になる人は、何らかの脳の機能的な障害があり、うつ病になりやすいこと。

そのなりやすさの一部には遺伝的な要因も関与していること。

また、病気になる前の
性格もなりやすさの一部に関連していること、などが言われています。

そして、そのようなうつ病になられやすい方に、精神的・身体的なストレスが加わった時に発病すると考えられています。



うつ病になりやすい性格

正確、綿密、勤勉、責任感が強く、几帳面、凝り性、完璧主義の傾向があります。秩序や規則、順序、組織、スケジュールに忠実ですが、柔軟性にやや欠けてしまう面もあります。

他人に対して非常に気を使い、なるべく衝突や摩擦を避け、他人に尽くそうとする傾向があります。道徳的にも良心的です。つまり、真面目で律儀で、人からあまり悪口を言われないような方、生真面目、几帳面、秩序を重んじる、人に気を使うタイプの方が多いのです。


しかし、このような性格の人は、仕事が増えた場合や、慣れない部署に異動した場合など、周りに相談したり、周りに仕事を振ることができず、仕事を背負い込んでしまいやすいのです。

また、仕事の量が増えたにもかかわらず、質も維持させようとするため、多くのものを抱え込んでしまいます。自分の行った行動に対しても、後悔しやすかったりします。過ぎ去った過去のことを思い悩んだり、自分を卑下したり、責めたりしてしまいがちです。



うつ病になりやすい方の考え方

一つ失敗すると、これからも全て失敗してしまうのではと、ネガティブに思ってしまう。

証拠が無いのにもかかわらず、こうではないかと決めつけてしまう。

悪い点ばかりを取り上げてしまい、良い点を無視してしまう。

失敗の責任は全部自分にあると思ってしまう。

他人からの評価に過敏すぎて、過度の自己点検、自己批判をしてしまう。

人の心の読み過ぎたり、人の顔色をうかがってばかりしてしまう。ある人の反応が悪いと、自分のせいではないかと思い悩んでしまう。


0か100、白か黒、良いか悪いかになりがち。

すべき思考。例:何かをやろうとする時に、「〜したい」ではなく、「〜すべき」「〜すべきでない」と考えて行動しがち。


うつ病になりやすい状況

過労、失業、退職、病気、失恋、結婚、出産、育児、離婚、被災、大学進学、昇進、降格、異動、転勤、配置換え、転職、引越、配偶者の死、子どもの自立、人間関係のトラブル、などのストレスがあります。

最近では、新型コロナに関連した悩みや、コロナのために人との交流が少なくなり、孤独感からうつ病になられる方も少なくありません。



【うつ病患者さんへの接し方】

基本的には、励ましたり、叱ったりしないことが大切です。うつ病の方の多くは、無理をしてうつ病になっています(怠けではありません)。励ましや叱咤激励は、うつ病患者さんが持っている罪悪感に拍車をかけ、時に自殺を促すことになりかねません。

また、決断力が鈍っているため、決断をせまるようなことはしないほうが良いです。特に、転職や退職などの人生の重大事項の決定は、病状が良くなるまで延期したほうが無難です。理由としては、うつ状態のときは物事を悲観的に考えやすく、後で正常に戻った際に、後悔するような決断をしてしまったと思うことがが多いからです。

生活では、人と会ったりすると、気疲れてしまうことが多いので、話して楽になる人や愚痴が言える人以外とは、無理して人と会わせないほうが無難です。また、普通は、旅行は気分転換になりますが、うつ状態のときには、旅先で気疲れしてしまい、うつ状態が悪化する原因になることもよくあります。


【うつ病の治療】

うつ病は、よく、ガソリンがなくなった車に例えられます。いくらアクセルを踏んでも、ガソリンがないために、前に進まないような状態です。

うつ病の治療では、ガソリンを少しずつ貯めていくというイメージをお持ちいただければと思います。

うつ病の治療で大切なことは、まず休養を取ることです。ただし、数日の休養で治る方は少なく、週単位、月単位の休養が必要である場合が多いです。

休養を取ると、職場や家族など、周りに迷惑を掛けてしまうのではと思って、休養を取ることにためらいがある方もいらっしゃいます。

しかし、休養を取ると言っても、月単位のことです。長い人生を考えれば、ごく一部にすぎません。治すためにも、休養を取ることに最大限努めることが大切です。

また、うつ病の治療法は、お一人お一人違ってきます。それは、うつ状態になった原因やきっかけが、人それぞれあるからです。


うつ病になりやすい体質の方状況

うつ病になりやすい体質の方には、お薬が効きやすいです。脳には元気の元となる物質(神経伝達物質:ノルアドレナリン、セロトニン、ドーパミンなど)があるのですが、これらの物質が少なくなったりしてしまいます。ですから薬を飲んでいただいて、その脳内物質を調整していただきます。


環境に大きな問題がある方

ものすごく過剰な勤務が続いたり、ご本人に合わない配置転換や転勤などがあり、うつ病に陥られた方については、患者様と相談した上で、職場配置やポストについて相談していきます。


もともとの性格によりうつ病になりやすい方

完璧主義すぎる、理想が高すぎる、〜すべきと考えすぎてしまう、真面目過ぎてしまう、自己主張がなかなかできない、嫌なことに対してNoが言えない、人の目を気にしすぎてしまう、恥をかくのがすごく苦手、傷つきやすいなどで、うつ状態に陥られた方については、うつ状態が改善したあとに心理療法(カウンセリング)を受けられると、その後の予防につながります。


このように、うつ病の方には、「休養」「薬物療法」「環境調整」「心理療法」が、治療の柱になります。治療としては、まずは安静が大切です。負担をできるだけ取り除き、十分な休養を取っていただきます。うつ症状の程度にもよりますが、お仕事を軽減してもらったり、休職して頂いたり、主婦であれば、家事や育児を他の家族に手伝ってもらったりします。

軽症の方には、まず「休養」をしていただきます。「休養」だけで治りそうにない方、うつ症状が中程度以上ある方には、薬物療法を併用いたします。



【うつ病の薬物治療

典型的なうつ病の場合、抗うつ薬による治療にて、約60%の方が改善します。

一方、40%の方は、最初に内服した抗うつ薬にて効果が得られず、お薬の増量を要したり、別の抗うつ薬に変更したり、気分安定薬を追加したりします。

最終的には、90%ぐらいの方に効果を認めます。

抗うつ薬の主な作用としては、脳内のセロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンなどを増やしたり、刺激したり、調節したりする作用があります。

抗うつ薬の注意点としては、抗うつ薬は即効性に乏しく、効果が出てくるまでに、2週間以上かかることが多いことです。

一方、副作用(飲み始めた頃の吐き気、眠気、排尿障害など)については、飲み始めてから直ぐに始まることが多いです。

患者様は、飲み始めの頃、副作用ばかり出て、効果がないではないかと思われてしまいがちですが、少しずつ効果は出てきますので、効果が出てくるまでお待ちいただきます。一方、抗不安薬や睡眠導入剤については、即効性があります。

抗うつ薬などの薬物療法は、うつ症状が良くなられたら減量していきます。ただし、うつ病は再発することが稀ではないため、うつ症状が良くなってからも半年〜1年ぐらいは、抗うつ薬の継続をお勧めしています。



三環系抗うつ薬
1950年代から開発されてきたお薬です。アナフラニール、アモキサン、トリプタノール、トフラニールなどがあります。三環系抗うつ薬は、しっかりとした効果がありますが、口の渇きや便秘などの副作用があります。そのため最近では、近年開発されてきた副作用の少ないSSRISNRINaSSAS-RIMが処方されることが多いです。ただし、SSRISNRINaSSAS-RIMなどのお薬を試してみて効果に乏しい方、入院されるほど重症なうつ状態の方については、効果の高い三環系抗うつ薬を用いる場合があります。



四環系抗うつ薬
1960
年代から開発されてきたお薬です。三環系抗うつ薬よりも副作用が少ないと言われています。ルジオミール、テトラミドなどがあります。ルジオミールはノルアドレナリンを増やす効果があり、意欲低下に効果的です。抗ヒスタミン作用により眠気も出ることから、睡眠効果も期待できます。テトラミドも眠気が出るお薬であることから、睡眠効果を期待して処方されることもあります。



SARI
セロトニン遮断再取り込み阻害薬
1970年代に開発されたお薬で、SSRIやSNRIが登場するまではよく処方されていたお薬です。デジレル・レスリン(一般名:トラゾドン)があります。抗うつ作用は強くはありませんが、睡眠を深くする効果があり、夜中や早朝に目が覚めにくくなります。従来の睡眠導入剤と比べ、依存性や離脱症状もありません。また、せん妄にも効果があるとされています。現在は、抗うつ薬というよりも、うつ状態の方に対する睡眠導入剤として用いられることの多いお薬です。


SSRI
選択的セロトニン再取り込み阻害薬
レクサプロ(エスシタロプラム)、ジェイゾロフト(セルトラリン)、パキシル(パロキセチン)、ルボックス・デプロメール(フルボキサミン)などがあります。脳内のセロトニンの濃度を増やして、抗うつ効果や抗不安効果をもたらします。

レクサプロ

1回10mg、1日1回(夕食後)より開始。最大20mgまで。

うつ病だけではなく、社会不安障害にも適応があります。初期投与量の10mgで、うつ状態に対する改善効果が期待できるお薬です。SSRI同士を比較したある研究において、最も効果と忍容性(副作用が比較的少ない)のバランスが良いとされました。効果があり、副作用も比較的少なく、第一選択薬として使いやすいお薬です。ジェネリック品もあるため、お財布にもやさしいお薬です。

ジェイゾロフト、セルトラリン

1回25mg、1日1回(夕食後)より開始。最大100mgまで。

うつ病だけではなく、パニック障害、外傷後ストレス障害にも適応があります。薬物相互作用(お薬の飲み合わせ)や中断症候群ともに少なく、消化器症状などの副作用も少ないと言われています。お薬の飲み合わせの問題も少なく、副作用も少ないため、飲みやすく、ジェネリック品もあるため、お財布にもやさしいお薬です。第一選択薬としても使いやすいお薬です。

パキシル、パロキセチン

錠剤:1回10mg、1日1回(夕食後)より開始。最大40mgまで。CR錠:1回12.5mg、1日1回(夕食後)より開始。最大50mgまで。

高用量ではノルアドレナリンの再取り込み阻害も有します(高用量ではSNRIに近いお薬になります)。うつ病だけではなく、パニック障害や強迫性障害、社交不安障害、外傷後ストレス障害にも適応があります(CR錠はうつ病のみ適応)。効果の強い薬ですが、一方で、急な減量や中止により中断症候群によるめまいや吐き気などが出現することがあります。そのため、増量も減量・中止も、慎重にしていくことが多いです。ジェネリック品があります。CR錠は徐放製剤です。普通の錠剤と比べ、薬がゆっくり溶けるように調節されているため、血中濃度が安定し、副作用や中断症候群が起こりにくくなります。

デプロメール、ルボックス、フルボキサミン

1回25mg、1日2回(朝・夕食後)より開始。最大150mgまで。

うつ病だけではなく、強迫性障害や社会不安障害にも適応があります。副作用の発現が割と少ないお薬です。ただし他のSSRIよりも、薬物相互作用(お薬の飲み合わせ)の問題があり、たとえば、睡眠薬であるロゼレムとは併用することができません。ジェネリック品があります。


SNRI

セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬
サインバルタ(デュロキセチン)、トレドミン(ミルナシプラン)、イフェクサーがあります。脳内のセロトニンとノルアドレナリンの濃度を増やして、抗うつ効果や抗不安効果をもたらします。ノルアドレナリンを増やすため、SSRIと比較し、意欲低下に対して、より効果的であるとも言われています。また、慢性的な痛みについても効果があると言われています。

トレドミン・ミルナシプラン

1回12.5mg、1日2回(朝・夕食後)より開始。最大100mgまで(ご高齢の方は60mgまで)。

作用は強いとは言えませんが、副作用の発現率が比較的低く、ご高齢の方などお体の弱い方が内服しやすいお薬です。ノルアドレナリンにも作用するため、意欲改善に効果がありますが、副作用として、動悸や血圧上昇、排尿障害などが認められることがあります。ジェネリック品があります。

サインバルタ・デュロキセチン

1日20mg、1日1回(朝食後)より開始。最大60mgまで。

副作用の発現率は比較的少ないお薬です。トレドミン・ミルナシプランよりも、さらにノルアドレナリンに強く作用します。うつ病以外にも、慢性疼痛(糖尿病性神経障害、線維筋痛症、慢性腰痛症、変形性関節症)にも効果が期待できます。ノルアドレナリンにも作用するため、意欲改善に効果がありますが、副作用として、動悸や血圧上昇、排尿障害などが認められることがあります。2021年に、ジェネリック品が発売されました。

イフェクサー

1回37.5mg、1日1回(食後)より開始。最大225mgまで。

少量ではセロトニン系に作用するためにSSRI的な効果があり、高用量ではセロトニン系とともに、ノルアドレナリン系に作用するためにSNRI的な効果に変わるお薬です。うつ病に対する有効性はSSRIや他のSNRIよりも高いという報告があり、難治性うつ病への有効性が期待できます。また、難治性うつ病に対して、NaSSAであるリフレックス・レメロン・ミルタザピンとの併用療法も選択肢に挙げられます。イフェクサーはまだ新しいお薬であるため、ジェネリック品はありません。



NaSSA
ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬
リフレックス・レメロン・ミルタザピンがあります。

リフレックス、レメロン、ミルタザピン

1回15mg、1日1回(就寝前)より開始。最大45mgまで。

抗うつ効果の発現が早いといわれているお薬です。抗うつ効果も高く、鎮静効果や食欲の改善効果もあります。鎮静効果があるため、不眠や焦燥感のあるうつ状態には効果的です。副作用として眠気がありますが、夕方から寝る前に内服することで、不眠を改善させることができます。SSRISNRIで出ることのある副作用の胃腸症状や性機能障害は少ないと言われています。一方、副作用は、眠気や体重増加となります。ジェネリック品があります。


S-RIM
セロトニン再取り込み阻害・セロトニン受容体調整剤
2019
年に発売が開始された、トリンテリックス(ボルチオキセチン)があります。

トリンテリックス

1日1回10mgから開始。最大20mgまで。
抗うつ効果だけではなく、うつ病における認知機能の改善にも効果があると言われています。SSRISNRIで出ることのある副作用の胃腸症状や性機能障害、眠気が比較的少ないと言われています。副作用が少ないため、飲みやすく、継続しやすいお薬の一つです。ジェネリック品はありません。


【うつ病に良い食事・生活習慣】

●肥満や糖尿病、メタボリック症候群などの生活習慣病が、うつ病のリスクを高めるとの報告があります。

●朝食をしっかりとり、睡眠を十分にとり、運動をするという生活習慣を持っている方は、うつ病の発症リスクが少ないという報告があります。

●ビタミンDの血中濃度が低いと、うつ病になるリスクが高くなるという報告があります。ビタミンDは食べ物からも摂取できますが、日光(紫外線)を浴びると体内で合成されます。

●亜鉛が不足するとうつ病のリスクが高まるという報告があります。

●女性は貧血や鉄分が不足しがちですが、鉄分が不足すると、疲労感が増したり、うつ病やパニック障害になりやすいと言われています。体の中の鉄分は、採血検査で、血清鉄やフェリチン(貯蔵鉄)を測ると分かります。貧血に至ってなくても、フェリチン(貯蔵鉄)がとても低い方もいます。そのような方は、隠れ貧血(潜在性鉄欠乏症)と言われ、鉄分を補充することで疲労感やうつ状態、パニック障害が改善することがあります。


●アルコールを摂取すると、睡眠の質が下がるため、アルコールの常用はうつ症状改善の妨げになることが少なくありません。

●運動は、うつ病の発症のリスクを下げるという報告があります。

→ 睡眠をしっかりとる、バランスの良い食事をとる、朝食をとる、運動をする、日光を浴びる、アルコールを控えるなどの生活習慣を心掛けるとよいです。ただし、うつ症状が強い方については、無理せず、うつ症状が改善してから運動されたほうが良いです。日光についても、最初は、部屋の中での日向ぼっこでも良いです。



【冬季うつ病・季節性うつ病】

日光(可視光線)を浴びると、幸せホルモンともいわれている「セロトニン」の合成や分泌が活発となります。逆に、日照量が少なくなり、寒くて外出が億劫になる冬は、多くの人でセロトニンの分泌が少なくなります。

冬になるとうつ状態を繰り返す方は、「冬季うつ病・季節性うつ病」の可能性があります。冬季うつ病の方は、過食・体重増加・過眠傾向などの特徴があると言われています。

冬季うつ病の原因は、日光不足によるものです。可能であれば、朝起きた時に日の光に当たることで、セロトニンの合成や分泌を増やし、うつ症状を和らげましょう。日差しが強い夏は15分、日差しが弱い冬は30分ほどが目安になります。



【入院治療について】

うつ症状が強い方、不安・焦燥感の強い方、お家で休むことが難しい方には、入院治療をお勧めしています。入院治療では、病状を日々観察することでき、薬物療法についても、細かく調整することができるため、外来治療よりも手厚い治療が可能です。


【うつ病の方の経過】

うつ病の経過は、一般的には、未治療例では、半年から1年くらい、うつ状態が続いた後、自然に軽快にむかうことが多いです(1年で40%が寛解、20%が部分寛解、40%が欝状態)。薬物療法をはじめとする治療を行うことにより、この期間は短くなり、3分の1の人が3〜6カ月で軽快し、1年で70%ぐらいの人が軽快します。


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